HASHIGAKI

端書きです

ナキシラベを誰が評価できようか

7月も峠を越えて、8月の麓が見え始めるこの頃、世間はきっと夏休みを迎える頃だと思う。夏休み中にたくさん宿題がある子供達も、夏休み前にたくさんの課題とテストがある学生達も必ずどこかで誰かに評価されていることだろう。誰かの成果を決めるのはまた違う誰かであって、それに対してきっと異論はないのだろうけれども、じゃあ誰かの価値を決めるのはまた違う誰かであっていいかについては、そうそう簡単な話だとは思えないような気がする。

 

少なくとも誰かに評価される器では収まりきらないバンド、ナキシラベを地元の神奈川は小田原から乗り継ぎ飽きるくらいにはほどよく離れた渋谷にて目撃した。そもそもこの「HASHIGAKI」は、昨年末に東京町田で見たナキシラベの衝撃が大きく、見たものをなにか形に変えることはできないか、と考えた結果、安易に綴り始めたのが、ゆらりゆらりと今にも消えそうな灯火として続いて今に至るので、実にそのときぶりに目撃したわけだった。し、今も1記事目はなぜか、なぜかなんて言うべきではないかもしれないけれどきっと本能の導くところであろう、ナキシラベの 記事となっている。

 

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この日はナキシラベのレコ発として自主企画となる、#harukakanataで、時々耳にするこのイベントも、はやいもので7回目を迎えるらしい。the ciboと、それでも尚、未来に媚びるの2バンドを迎えてのスリーマンライブ。ナキシラベの直前に抜擢されたそれでも尚、未来に媚びるが演奏を終えるとホールから抜けていく多くの人の姿もあったが、素晴らしく見る者の心に訴え殴り続けたそれ媚びを見たにもかかわらず、そのままナキシラベ を目撃しなかったことを近い将来後悔することになる。そう決めつけた。100歩譲っても、そう決めつけたところで誰にも文句は言われない程度には、ナキシラベは伝説の夜を渋谷に打ち立てたと感じた。

 

この日会場にてリリースされた新「ARCHE」からの新曲を中心に、これまでナキシラベを支えてきた古くの曲も織り交ぜながら披露された1時間を少し欠けた時間は、人々を置いていくスピードで開発の進む渋谷のど真ん中に、新たなシーンを刻み込んだに違いない。


ナキシラベ nakishirabe「ARCHE」【Music Video】

不思議なことに彼らの未来はほぼ見えず、まるで通せんぼでもされているかのようだ。それほどこれから先がわからない。どれだけ進化していくのかか見えない。誰にも評価させない。置いていかれてはいけない。これからのナキシラベを見逃してはいけない。

 

 

ナキシラベ pre. #harukakanata vol.7

《セットリスト》

1.アイビーアイビー

2.phenomenon

3.ARCHE

4.陽炎

5.キラーアタック

6.77days

7.24/7

8.彩光

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