HASHIGAKI

端書きです

Hump Backの人間なのさ、じゃああの日の顔はなんだったのさ

明日あたりで長い梅雨も終わるらしい。あれもやらなきゃいけないし、これもやらなきゃいけないし、言いたいことは次から次に出てくるし、アイツは今日も仕事で遅い。バタバタとそんなこと考えてるうちにガラガラと列車は駅に着いてしまって、普段はあんなに長いのに一瞬のように感じてしまったそんな間にいつのまにか2周目に入ってしまっているような1stフルアルバム。決して疾走感だけではない。頭の中に思い浮かぶあれもこれもひとつずつ拾い上げながら「僕らは今日も車の中」までたどり着いてしまう。長い時間をかけて届けられた景色だけが人の心に残るか、それは違う。あの日の大きな花火も、あの陽に揺らいだ波間も、あの日の君が一瞬見せた表情も、一瞬で駆け抜けた姿だけが人の心に残すそれはとても大きくなることを生きていく中で度々知ってきた。そんなときに足元をふと見れば明日はいつだって今日になっていたりする。"さよならも言えないまま大人になってく"

勝手に向かせられる前方に迷いはなく、視界は良好、風は心地良い。好きとやりたいが磨き続けたするどい歌声は、どれだけ多くの手を引っ張っていくのか。このメジャーデビューはどこまで連れて行ってくれるのか。どうしてこうも人間を変えるのは人間なのか。人間なのさ。


Hump Back -「LILLY」Music Video

ペトロールズが終点だった話

月曜から夜ふかしで普段耳にはするけど行ったことはない終点に行ってみる、みたいな企画がやってて意外と名前は聞いたことあってもなにがあるかとか、どんな街だとか、知らないことは多いものだなぁと感じたりしたそんな月曜日の夜を越えて迎えた火曜日、東京は恵比寿のリキッドルームにてペトロールズを初めて見た。

 

高校生の頃からライブハウスに通い始めて、ライブというものに行き始めて、早10年といったところだろうか。信頼していたバンドが日の目も見ずに消えては新しい顔のバンドに触れてを繰り返して、それはこの上なく楽しく満たされる毎日を過ごしてきたわけだけれども、365日のうち1日や2日は、何歳までこれを続けていけるのか、続けていくのかなんて思うこともあった。

 

そんななか、目撃した初めてのペトロールズは、ペトロールズという名前こそ聞いたことはあっても足を踏み入れたことがなく、どんな居酒屋があるだとか、どんな色した電車が走っているだとか、なにも知らない街そのもののような存在だった。元々今はそう名前も聞かなくなった(おそらくあと半年と少々、閏月の頃にはよく聞くことになるとは思うが)東京事変を信仰していたので、「浮雲がやっているバンド」それ以上でも以下でもなかった。目の前で浮雲が見れるなんて素晴らしくラッキーなことだなぁ、くらいの気持ちではいたんだけれども、演奏が始まってからそんな全ては一蹴された。

 

多くのバンドが数え切れないほどの夜を刻んだここリキッドルームには、それはある程度は、いや、それ以上には不自由しない数の照明機器と、その色が用意されているのにもかかわらず、演奏中常に灯るのはそれらのうちの31といったところだろうか。とにかくどこか薄暗い。だがそれが良い。とにかく良い。そして純度100パーセントのいい意味で緩急のない演奏。前に歩を強く進める曲で汗ばみ、落ち着いた曲で足を止める、といったことはここでは起きない。ただ時間に身を任せて揺らぐ。スライダーもフォークもない。ただ放られるスローボールと時々カーブ。これは「浮雲がやっているバンド」ではない。これがペトロールズだと。

 

あの、BUMP OF CHICKENも、あの、水樹奈々も、ゆずも安室奈美恵も、全曲解禁をしたサブスクリプションが大衆の生活となって幾許か。流行りモノに触れることは容易い。突出したものはタワーレコードよりも手に取られるのかもしれないし、誰かにとってはそれが終点になることだってあるのかもしれない。あるに違いない。ペトロールズは流行ってはいないのかもしれない。正直その辺りはよくわからないけれど、そんな多くの誰かにきっと守り続けられている。知らない街でふと見つけた、地元の人が守り続ける祠のようなものだろうか。突出することもなければ衰退もない。自分にとっての終点は、ここだったのだと、たどり着いた夜だった。

 

炭水化物だけど芯があるから腐らない


マカロニえんぴつ「トリコになれ」 MV

もうトリコになってるなんて知ってるくせに、満を持して開幕したバンド初の全国ワンマンツアーの千秋楽公演、バンド史上最大キャパの東京は恵比寿リキッドルームでの1曲目からトリコになれと歌いきるはっとりという男は本当にズルイ男だなぁと感じた。会場にはキラキラした女の子がたくさんいて、かたや紙コップに詰められたバドワイザー片手に枯れきった私は。なんてことも思ったりはしたけれど、いい夜だったように思う。いや、こんな夜そうそうこない。

 

18時になると同時に会場の照明が落ちてから、もう一度照明が着くまでのことをしっかりと覚えていられた人が、満員の900人を収容した恵比寿リキッドルームあの中で一体何人いたんだろうと思う。贅沢物の詰め合わせ、きっと昔の人たちはこれをおせち料理と呼んだんだろうと思うほど(思ってはいない)、贅沢な濃厚な時間で、それ故にあっという間に過ぎてしまった。こんな夜がフルボリュームのDVDに記録され、世に放たれることになるかと思うと、早く観たいという偏差値の低い感情しか湧いてこないもんだから、それがまた余計に胸を躍らせる。

 

恵比寿リキッドルームでの千秋楽をもって、ミニアルバム「Like」が完結したような気持ちになった。昨年末の東京は渋谷eggmanにて開催された千秋楽公演にて、ミニアルバム「Like」のリリースが発表され、その場で披露されたブルーベリー・ナイツの1音目から始まった長旅は、MVの公開や、クセの強さに置いてけぼりを食らうことになるSTAY with MEMV、青春と一瞬のリリースや、どこかほろ苦いような気持ちになるマクドナルドのCMを経て、この夜にたどり着いたのだ。そもそもこういった音源に完結だとかなんだとかあるのかないのかはわからないけれど、ひとつ、私達の感情も含めて1枚にまとまったような気持ちになった。これからはもっと安心して連れて歩ける1枚になった、なったというかなっていることに気付いたのかなとも思うけど、調子はどう?

 


【2/13 ON SALE!!】マカロニえんぴつ「STAY with ME 」MV

 

マカロニえんぴつとの出会いは、20歳そこそこで出会ったクリープハイプとの大きな出会い以来の衝撃だった、とここのところよく考える。クリープハイプの良さを伝えようとして、生活感の話をする。クリープハイプは生活感なのだ、というように。ここで伝わって欲しい生活感というのは決して綺麗な意味でなくて構わなくて、いつかは気合い入れて掃除しなきゃなぁと思いつついつまでもほったらかしにしている、部屋の隅の埃だとかお風呂場のタイル目地のカビだとかそういうもののこと。なるべくなら人には見られたくないけれど、生活をしていく上で必ず生まれてしまうもの、たしかにそこにあるもの、それがクリープハイプで、それこそがクリープハイプの良さなのだと。

 

今までずっと気付かないでいたけれど、マカロニえんぴつにも生活感を感じたような気がした。ただクリープハイプのそれとは違う生活感。こうだったらいいなという想像のこと、こんな寂しいことがあったというあの人とのこと、思い描く理想のシーンのこと、生活をしていく上で、なくても特別困りはしなさそうだけど、私にとってはなくてはならないような、そんな出来事。誰かと共有したくなるような日々の出来事。それが音楽に詰め込まれているのがマカロニえんぴつの魅力なのだから、四季の旬物のように腐りはしない。彼らの音楽や、ライブの一瞬一瞬はそれこそ炭水化物のようだけれど、ただただ受け取った私達のエネルギーとなってまたそれを少しずつ燃やして生きていくだけだ。

 

もう縋ったって遅いかなと歌い、縋ることがどれだけ情けないことであって、いつでも好きなときにできることじゃないかってこと、潰して舐めて欲しいほどに知っている彼らは、この日の夜の最後に、これからも縋ることと頼ることを私達に望んだ。そんなところもまたずるいやと思わざるを得ず、素直な姿を前にまたも素通りするわけにはいかなくなってしまう。一瞬に過ぎていく青春がどれほどの価値であるかなんて考えることすらせずに、大人になってしまった大人になりきれない私達は、どこへ向かったら良いかわからなくなってしまうことばかり、夜と朝のあいだも見つからない毎日の中で、何度でも彼らに縋って頼って生きていくに違いない。このフィーリングをいつまでも。

 

今年9月には新譜「season」のリリース、明けた来年1月には、またしても自身最大キャパシティの赤坂BLITZでのツアーファイナルを控え、全国15箇所を駆け回る。メンバー4人それぞれが四季になぞるように作曲した曲と、デジタルリリースだけだった「青春と一瞬」が収録される5曲予定とのことで。千秋楽公演を迎える頃、どうせまた四季は移ってしまっているのだろうけど、やっぱり毎日が旬な彼らは、炭水化物だけど芯があるから腐らない。

 

 

《セットリスト》

 

トリコになれ (なってる)

ワンルームデイト

洗濯機と君とラヂオ(手拍子)

girl my friend (本当にごめんね)

 

MUSIC (抜くだけでいいから)

two much pain (泣かないで)

MAR-Z 

 

ワンドリンク別 (優勝)

哀しみロック (最高)

 

夜と朝のあいだ (見つからない)

キスをしよう (最高)

鳴らせ (LiKE AN ADULT ver)

 

働く女 (たちとの掛け合いが最高)

レモンパイ (一つ折りで二人占めに)

スタンド・バイ・ミー (マカマカマカペン)

STAY with ME

 

青春と一瞬

ブルーベリー・ナイツ

keep me keep me

ハートロッカー (手拍子)

 

ヤングアダルト(season収録)

眺めがいいね (バイトリーダーではない)

ミスター・ブルースカイ (毎回感涙)

 

 

この日演奏された数々の愛すべき曲達の下で叫びたい。このツアーのマカロニえんぴつを、この日のマカロニえんぴつを、支え切ったサポートドラマー高浦充孝。いつもどこでもいつまでも最高すぎる!!!!!!!

平成最後の野外音楽堂公演でもSaucy Dogは日常だった

 

東京日比谷は雨。雨というのはなんとなくプラスかマイナスで言ったらマイナスな気がするのは私だけか。偏頭痛持ちでもないくせになんとなく頭が痛い気がして、誰も何にも悪くない、ましてやなんにも起こっちゃいないのに、誰かに八つ当たりしたくなるような気分にすらなる。電車に乗れば誰かの傘が足に当たってお気に入りのパンツが濡れてしまったり、よく行くカフェが雨の日限定でポイント2倍になることは、雨の降った日には忘れてしまったりする。そんな雨に打たれていることですら演出に思えるのは彼らの音楽にその気があるからなのだ。ライブハウスでは、炊かれたスモークに色とりどりの照明がぶつかることによって、幻想的な雰囲気が演出されたりするが、彼ら3人と私達観客とを隔てるレースのカーテンのような雨に照明がぶつかったとき、その予想できない鮮やかさはとんでもないものだった。

この季節の日比谷野外音楽堂では、開演した頃のまだ辺りも明るい時間帯にはただ、そこに灯るだけの照明が、いつの間にか空の明るさを追い越す瞬間がある。それはきっと誰にも見つけられない一瞬だ。気付けば空は暗くなっていて、全てが今日の睡眠への導入として演出された現実なのではないかと思ってしまうほどの独特な空気の中で、強く確かに存在感を示す照明になって私達とステージとを照らす。そんなことに気付くとライブ中であっても、時間って本当に進んでるんだなんて些細なことを考えてしまったりもする。とにかくライブを見るのにはこれ以上ないくらい自然体で、ありのままで音楽に触れることができる場所だなぁと改めて。そりゃそうだよな、なんてたって野外音楽堂だもん。あれっ(あれっ)、声が(声が)、遅れて(遅れて)、聴こえて(聴こえて)、くるよ(くるよ)とか言うタイプの堂じゃないからなぁ。

その昔、昔でもないか。「いつか」という曲が発表されたとき、そのあまりにもバラードとして完成された形にこのバンドはこの曲で終わるバンドだと確信していたものだった。


Saucy Dog / いつか(Official Music Video)

まるでさっき見た光景かのように細かく描写された歌詞と、激しく動く心の移り変わりが表現されたメロディーとが、ここまで密にリンクする曲はそう数えるほどない。ただ、この曲が収録されているミニアルバム「カントリロード」の曲達もそう、2枚目のミニアルバムとなった「サラダデイズ」の曲達も、その物語のどこかに私がいる。とにかく身近なことが描かれている。私もSaucy Dogなのかもしれないと思ってしまう。フィルムカメラで切り取られたような嬉しい、悲しい、切ない、楽しいの気持ちが私の日常に溶け込んでいるのだ。


Saucy Dog「真昼の月」MV


Saucy Dog「コンタクトケース」MV

平成最後の野音で鳴らされたのは、この3人だから成り立つということを強く感じさせる音だった。なにに縛られるでもなくゆらゆらと、ただ確実な音を鳴らしてバンドの礎となるベース。全く力強く叩いているわけではないように見えるのに、前へ前へとバンドの手も観客の手も引き続けるドラム。引きのストロークに強めの癖があるギターと、繊細な物語のバックグラウンドを彩り続けるメロディ。そしてこの日比谷の地から遠くどこまでも届くような伸びきった歌声。例えばこれドラムが男性ドラマーで、バチバチに突き抜けるような音を出すような形だったら、彼らの音楽は全くもって成り立たないだろう、と思う。当然これはSaucy Dogだけに言える事じゃないのだけれど、普段よりもかなり強くこのことを感じた。リリースされた曲達に加えて演奏された2つの新曲は、新しく迎えたこの時代でも彼らの快進撃がまだまだ止まらないことを物語っていたし、早く日常の中に溶けてきて欲しい。

最後の写真撮影で叫んだ、「グッバイ、平成!」のなんともいえない語呂の心地悪さが、なんとなくぱっとしない毎日のようで、好きだなぁと思った。

7月の対バンツアー行きたいな…。平日か…。

今日が最後の日で明日が最初の日

その1ヶ月間でよーく聴いた曲を、ぶっわーって並べて、ぐっわーーっと見てもらって、はっはーんって思ってもらえるようなやつ、2月くらいからずっと、毎月必ずやろうやろうと思っていたものの、なかなか難しいもんだなぁと。会いたいと会おうが連鎖しないように、書きたいと書こうも連鎖しないらしい。でも、せっかく時代も変わることなので、月関係なく最近聴いてていいなぁ、ずっと聴いててやっぱりいいよなぁ、なやつらを、平成最後におりゃーーっと並べてみて、令和に連れてってやろうかと。

 

1. ミスターブルースカイ/マカロニえんぴつ


【12/6 ON SALE!!】マカロニえんぴつ「ミスター・ブルースカイ」 MV

マカロニえんぴつがマカロニなのかえんぴつなのかハッキリするその日まで、ワンドリンクが込みになるその日まで聴きたい。やっぱりなんやかんやでブルースカイみたいなところない?

 

2. アストロビスタ/ハルカミライ


ハルカミライ - アストロビスタ(Official Music Video)

MVの女の子がめちゃくちゃかわいいくてめちゃくちゃかわいそうになっちゃう。MVでお話が繋がっている感じの「宇宙飛行士」も是非。

 

3. ファイト!!/ハルカミライ


ハルカミライ - ファイト!! (Official Video)

そもそもハルカミライは、最初から最後までフロア全員で歌い続けられるあの雰囲気が本当に最高。ライブ観ると絶対に泣いちゃう。連続だけどこいつだけは連れて行きたいんだ。助けてもらってんだ。

 

4. アフターアワー/My Hair is Bad


My Hair is Bad – アフターアワー(ハイパーホームランツアー日比谷野外大音楽堂 2017/5/4)

マイヘアは先日の記事( https://catsuz-w.hatenablog.com/entry/2019/04/23/012339 )であれこれ書いたので割愛。いいバンドになってます。共に成長しているように思えるバンド。

 

5. 秒針を噛む/ずっと真夜中でいいのに。


ずっと真夜中でいいのに。『秒針を噛む』MV

ずっと真夜中でいいのに。令和で確実に目撃したいアーティスト個人的ダントツの1位なんですけど、早耳な全国の皆様に置いていかれてて、全然見れそうにない。圧倒的なセンスと突き抜ける高音の声がめちゃくちゃイマだなぁ。

 

6. 拝啓、少年よ/Hump Back


Hump Back - 「拝啓、少年よ」Music Video

いいライブを観ると、ぐーーーーんっっ!!と涙腺を押し込まれて泣いてしまうことがあるけれど、それをしてくれるバンドのひとつ。なにより萌々子様が尊い。とにかく尊い

 

7.  ジュブナイル/amazarashi


amazarashi - Juvenile

こんな自分でも生きてていいのだと、口があれば底もあるのだと、真っ暗闇にこそ光は届くのだと、聴けば聴くほど唸ってしまうすごく大きな力を持った集団。これからの人生めちゃくちゃに助けてもらい続けていくんだと思う。

 

8. フィクション/sumika


sumika / フィクション【MUSIC VIDEO】

個人的には前身となるbanbiの頃からの追っかけで、今となってはただのハッピー集団。片岡健太に生まれ変わりたい以外の感情がない。

 

9. 群青日和/東京事変


東京事変 - 群青日和

だってもう平成を代表する人間でしょ、椎名林檎。宗教性ナンバーワン。閏年の来年復活することに祈りを込めて。

 

10. ジムノペディック/藍坊主


【PV】 藍坊主 『ジムノペディック』

地元の星。高校時代の青春。平成に生きていた青春は令和でもしっかりと育て続けていきたいなぁなんて思う。なんとなーくなポジションでなんとなーくな感じでやっているような印象を持たれがちなバンドな気がするけど、はちゃめちゃにかっこいいんだよ。

 

11. アイビーアイビー/ナキシラベ


ナキシラベ nakishirabe 「アイビーアイビー」

地元繋がりでもうひとつ。令和、絶対にくるよ。ナキシラベはめちゃくちゃにかっこいい。ボーカルさすくんの底知れない確かな才能、そしてなにより上手ギターボーカルのゆりえ様が、とにかく尊い、とにかく神々しい、とにかく美しいの三拍子。くる…。

 

12. トーキョーナイトダイブ/KOTORI


KOTORI「トーキョーナイトダイブ」Official Music Video

これからもっと勉強して、これからもっと知りたいの筆頭という感じ。先日の弾き語りがめちゃくちゃ熱かったので、すごく好きになった。

 

13. Lani/FOMARE


FOMARE - Lani 【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

ボーカルがやんややんやと騒がれているような話を、ちらほらと耳にしますが好きにしたらいいと思う。と思えるほど、そんなの関係ないくらいに素晴らしい日本語の使い方で、いい歌をうたってる。新しいアルバムとツアーが楽しみ。

 

14. 青い春/SUPER BEAVER


SUPER BEAVER「青い春」MV (Full)


SUPER BEAVER「青い春」MV~10th Anniversary Ver.~ (Full)

若い子(とかいう言い方が既に爺過ぎる)のライブに行って待機中、周りからよく聞こえるのがこのバンド名。結構苦手とされてるみたい。暑苦しいみたい。特にピンとこないみたい。歌い続けて欲しいなそれでも。20代後半のもうどうにも戻れないけど、進むしかないのもなんだかなぁ世代にストレート160km直球ズドンッ!みたいなバンドなんだろうな。きっと。

 

15. 俺のロックンロール/SIX LOUNGE


SIX LOUNGE 「俺のロックンロール 」 (ONE MAN LIVE“LOVE”at SHIBUYA CLUB QUATTRO 2017.12.05)


SIX LOUNGE - 俺のロックンロール (Official Video)

SUPER  BEAVERのようにこれからの時代にもなくなってほしくない暑苦しいバンド。こういうのもっともっと求められたらいいのにね。かっこいいのにね。

 

16.  夜空のBGM/MAGIC OF LIFE


MAGIC OF LiFE(ex DIRTY OLD MEN) - 夜空のBGM (OFFICIAL MUSIC VIDEO)

いやもうシンプルに好き過ぎるから令和にも連れて行きます。なんかイマイチ人気、ないように、感じちゃうんだけど、どうして?

 

17. Camel/Flight Academy


Flight Academy - Camel(Official Music Video)5K

世界でいちばん好きなドラムを叩く男の子が始めたバンドなので選出。時代の幕開けと共に大きく飛び立って欲しい。

 

18. さなぎ/Rhythmic Toy World


4/28 Rhythmic Toy Worldレコ発『さなぎ』@新宿marble

この人達がいたから、この曲がまだシングルだった頃そのリリースツアーで一緒にライブをすることができたから、大学になんて行ってしまったし、今の自分がある。これからも、想像力の最前線を走ってんだって思っていたい。

 

19. いつか/Saucy Dog


Saucy Dog / いつか(Official Music Video)

この曲が出た時、本当にこの曲の1発屋だと思っていたから、今こんなに好きなの自分でも驚いているし、平成最後にこの人達を選ぶなんて思いもしなかった。

 

20.  平成ペイン/ go! go! vanillas


go!go!vanillas - 平成ペイン Music Video

平成の最後の一刻は国民全員でこれ踊ろう。

 

21. ストロー/aiko


aiko『ストロー』music video short version

令和にいいことがあるように今日は赤いストローさしてあげようね。歌姫。時代が令和になろうがならなかろうが、こっちが死ぬかaikoが死ぬまで変わることのない事実だと思っている。

 

誰も味方になってくれない瞬間が来ても、どんなに深く傷つけられても傷つけてしまっても、周りの目が気になっても後ろ指さされても、音楽はいつでも味方でいてくれるし、明日がどこにあるか教えてくれる。これは時代が変わっても変わらないままでいて欲しいなと思う正直な気持ちだと思う。新しい音楽を知ったらその音楽が人と人とを繋げてくれる。明けない朝がないことが嫌になる時だってあるはずだし、1曲がいつでも助けてくれるわけじゃあない。2万曲聴いてたってどの曲も助けてくれない時もあるかもしれない。それでも音楽を聴くこと観ることはやめられないんだよね。不思議だね。なによりも時間と愛を捧げてきた音楽でこの時代にピリオドを。なによりも心と夢を預けられるような音楽が鳴るような時代がきますように。

今日が最後の日で、明日が最初の日。

 

My Hair is Badという惜春

そりゃあ元々行きたい気持ちは当たり前のようにあったわけだし、そんなの横浜アリーナで済ませてしまえばいいもので、定時で会社を出ても間に合わないだとか、休みが取れないだとか、今回のEPそうでもないとか、横浜アリーナで見るマイヘアは違うだとか、なんやかんやと理由を試着させてみては結局どれも似合わないまんまだった。知らない見てない聞いていないところで2日間の横浜公演が終わって夜が明けたとき、なぜだかわからないけれど、新潟で千秋楽を見届けなきゃいけない、ある種の義務感のようなものを感じていた。

社会には時代が変わる10連休が訪れる。時間ができれば外に出かける。外に出かければお金を使う。会いたい人もたくさんいる。せっかくの休みにカフェでのんびりしたいとも思うかもしれない。似合わなくても構わない。でも。それらのが全てできなくなるくらいひもじい思いをしても良いから、とにかく新潟に行く必要があった。そこに行かなければ何かに気づけないままになってしまうという気持ちだけだった。

ずっとずっと死ぬほど嫌いなのに離れられないでいるSNSを、現実世界に活用するのも今年に入ってからは慣れたもので、もしも欲しいチケットが当たらなくても、おんなじ趣味持ったおんなじ素敵な人が譲ってくれたりする。だから日曜日の朱鷺メッセに、木曜日に行きたいと思っても、行けるからなんやかんやでSNSは素晴らしいのかもしれない。いや、素晴らしすぎるだろうよ。ねぇ?

片手で数えるほどしか乗ったことのない新幹線に乗って初めて降り立つは新潟県新潟駅

知っているものなんてなにもない。知っている人なんて誰もいない。歩いたことのある道もないから、頼りになるのはローソンとドトールくらいしかない。それでもすれ違う女の子はみんな可愛いからきっと新潟県の女の子はかわいいんだと決めつける。まるでゴミの発想。

ライブという一瞬の煌めきを、どうにかして形に残そうと思うとどうしても欲しくなってしまうグッズ。2時間と少し並んで、こんなに並ぶなんて久しぶりだなぁなんて思いながら、彼等の人気を知る。たった200人か300人か。昨日になりたくてという1枚のミニアルバムを携えて東京で出会った彼らでは、もうそんな人達では、無いことを知る。

 


惜春とは、行く春を惜しむこと。また、過ぎ行く青春を惜しむこと。らしい。

My Hair is Badこそ、自分にとっての惜春なのだと思う。そのゾーンに入っている椎木を見ている時の自分、それもまた椎木なのだと思う。言い過ぎか。過去を投影したそれが人の形をして声を発しているのが椎木なのだと。言い過ぎか。

真赤は個人的に彼らを今の位置まで引っ張ってきた手綱のようなもので、今となってはその全てを簡単に吸い込むような化け物だと感じる。簡単に拳なんて突き上げてたまるか。ここで拳を突き上げることは、自分が犬みたいでいいなんて言われてるようで情けなくなる。それでも恋に落ちる春には逆らえない自分もいる。振り向いて欲しくて甘えてしまうのは、やっぱり格好つかない気がする。

彼等を見たのは武道館の2日目が最後で、その日もなんだか随分と遠くまで来てしまったもんだと、えらく感心したものだった。My Hair is Badと言えば、過去の君にいつまでもだらしなく縋って泣きついて、最終的には何にも解決しないような姿がまるで自分のようで、ほっとけなくて。それでもまるで腫れ物に触るかのように心当たりのある彼の言葉に触れてきたものだったが、今日そんな彼はどこにもいなかった。正確にはいたのだと思うけれど、椎木の目はあの日の君じゃなく、目の前で拳を振り上げる私達を確かに捉えていた。私達と彼の未来は、一体どうしたらよくなるものだろうかと、少しでもよくなるようにと力いっぱいに叫び続けているように感じた。

革命は起きない。期待しているような朝はこない。若者が主役になる未来はない。生ビールの泡は放っておけば放っておくほど弾けて少なくなっていくのだ。それでも明け続ける夜になにを望んだら幸せになれるのだろうか。居酒屋で食べたくもないのに頼むポテトフライは冷たくなって流し込みにくくなるだけだ。それでも幾千の照明に浮かび上がる彼らに、流れ続ける感情が止まらなかった。

昨日には戻れないし、すぐに明日には進めない。今しかない。今しかない。大切にできるのも忘れないでいられるのも、どうせ今しかない。変えられるものなんてなにもない。人の気持ちは変わっていくのに変えられないし代えられない。今も今さっきになったばっかりだし、そんな繰り返しの中で吸ったり吐いたりするだけしかない。

彼らが6月にリリースする新譜がフルアルバムであり、そのタイトルがboysであること。

もしかするとそれだけが、革命なのかもしれない。narimi。womans。mothers。そしてhadakaになった今、My Hair is Badは大革命期を迎えようとしているのかもしれない。聴かなきゃわからないけど、聴かないまま教えて欲しいこともないわけではない。

彼らの地元で観る彼らの姿は余りなく割り切っていて、今年もまた夏が過ぎていくことを感じた。変わってしまったことは数え切れないほどあるけれど、変わっていないことも数えるくらいは残ってくれている。収集がつけられないから、今はそれを優しさと呼びたいと思う。もう1度新潟で彼らを見たい。ただそれだけだとおもう。行きたいよりも行かなきゃの気持ちで行ってしまうことの方が大切な気もする。それだけ良いもの見れたから言えるのかもしれないけれど。ひと月後の給料日まで夜ご飯食べれないくらいの貧乏になっちゃったけれど。新幹線が高いのがいけない。高いけど速いけど高い。文句は数え切れないほどあるけど、マイヘア、やっぱり最強で最高だった。特大のホームラン。ランニングホームランじゃない。特大の場外ホームランを確かに見たよ。椎木ありがとう。マイヘア ありがとう。昨日までの自分ありがとう。

拝啓、aiko様

aikoが好きだ。

1年間かけてクラスメイトが1人ずつ自分の好きな曲を1曲かけていって、いろんな音楽を知ろうというのが中学校に入学してすぐの音楽の授業だった。そこで家からすぐ近所に住んでいたクラスメイトの女の子がかけたのが、aikoのスター。ずっと知っていたはずの女の子がすごく大人のように感じて、すぐにTSUTAYAに走った。当時、モテるのモの字もなかった僕は、aikoを聴いたら女の子の全てがわかるような気がした。カブトムシとかボーイフレンドとか音楽番組でよく流れるような数曲はうっすらと知っていたのだけれど、当時は、女の言うことは女にしかわからないと思っていたし、女性アーティストが歌うことは女にしかわからないと決めつけていた。でも、そんな自分でもaikoが歌っているのは女の子の気持ちだけじゃないということを感じることができた。むしろ今まで出会ったどんな女の子よりも、いちばん味方でいてくれるようにすら感じたし、中学1年生の男子にとって女の子の味方がいるというのは、どんなことよりも誇らしく、どんなことよりも心強いものだった。あっという間にaikoが”好きな人”になった。

 

中学校2年生になる頃には、将来の夢を聞かれたら「aikoと結婚すること」と答え続けてきた。初めて女の子と付き合ったときも、初めて別れた時も、初めて振られた時も、初めて告白されたときも、女の子が考えることでわからないことは全部aikoが教えてくれていると思っていた。というか教えてくれた。当時流行っていた携帯掲示板、いわゆる学校裏サイトでアホほどあることないこと書き込まれた時も、テレビで見るaikoは、ラジオで聴くaikoの声はいつも笑ってた。いつも明るいaikoにいつも救われてきた。本当に好きな女の子でしかなかった。

 

好きな女の子って話しかけられないじゃないですか。

だからって全然話は違うのかもしれないけれど、ファンクラブに入って会いに行こうとかできなくて、人生で初めて生で見たのは茅ヶ崎aikoが3年に1回開催するLove Like Aloha4だった。毎回8月30日に開催されていて、29日が誕生日の僕は、成人を迎えてすぐの日で、前の日喜んで友達とお酒を飲んで朝、初めての二日酔いを抱えたまま、始発で行ったんだけど案の定、厳しい暑さの前になすすべもなく体調を崩して、いちばん後ろからただ本物の声を聴きながら遠くで本当に小さなaikoを眺めていた。それから3年後のAlohaでも後ろからぼーっと眺めていた。中学生の時に好きになった人は、いくつになっても遠くにいたし、やっぱりあの時も笑っていたっけな。

 

昨年、成人してから6年が経った8月30日の茅ヶ崎で、aikoを目の前で見ることができた。とはいってもそれは、立っている位置だけの話で、花道に対して真横から見ていたのだけど、aikoがこちらを振り向いたときに僕は、ただただ見慣れたサザンビーチの砂浜を見ていた。目があってしまったら気が気でいられないと本気で思った。本当にどきどきした。中学生のときから好きな女の子がいよいよそこにいた。だから砂浜を眺めることくらいしかできることはなかった。aikoがずっと大切にしてきた、僕にとっても大切な曲たちは、申し訳ないけれど1曲も入ってこなくて、ただただ、ぼーっとしては、急いで砂浜を見て、を繰り返していた。異常気象といわれる連日の太陽が乾燥させた砂浜にすら笑われているような気がしたけれど、本当に幸せな時間だった。

 

これは本当にファンクラブに入ってしまったら、近くで見てしまったらいけないなと思った。そんな自分がなにかの導きで足を踏み入れたのが、さいたまスーパーアリーナLove Like Pop 21。LLPと称されるこのツアーは、aikoのツアーの代名詞と言っても全く過言でない大きなライブだと思っている。本当になにかの導きでしかないと考えていて、それもaikoの20年をお祝いできるようなこのタイミングで、現場にいられるということは、言うまでもなくなによりも尊いことで。aikoがファンを想って出してくれた整理券を握りしめてグッズを買ってからは、あじがとレディオでaikoの下着が新調された話とかをぼけーっと聞いたり、始まる前まで居酒屋にいたりした。全然ご飯食べれなくなってて、ただ少しずつ、少しずつ、あんまり美味しくない生ビールとやっぱり少しの他のお酒を飲んで時間が来るのを待っていた。いや、本当は待っていなかった。時間は過ぎたその瞬間から過去になっていくし、ただiPhoneの画面に映る静かに憎らしく過ぎていく時計を眺めてた。

 

さいたまスーパーアリーナの400レベルというまぁまぁ高めでそれなりに距離のあるところから見たaikoは、それでもaikoだった。正直aikoが一生懸命考えてくれた照明だとか演出だとか、どうでもよかった。だってそうでしょう?好きな女の子から作ってもらったらなんだって美味しいし、なんだって嬉しいし、そこに嘘なんて1ミリもないんだから。aikoがそこにいるということが、好きな人が目の前にいるということがなによりも素敵で、なによりも嬉しいことだから。でも本当は演出にも曲にもめちゃくちゃ感動した。声がした瞬間から、会場の照明がもう1度灯くそのときまで、もしかしたらそこにいなかったのかもしれない、と思うくらい、幻だった。ただ確かな記憶だけを置いていってくれて、どれだけ距離が遠くても目の前で笑顔で語りかけてくれるのが、僕がずっと好きな人で。とにかく最後まで走り続けていた。誰も置いていかないように、誰も置いていかないために、そうやって走り続ける彼女は本当に不思議な女の子だと思う。止まってくれない。こんな気持ちまでも。

そして、やっぱり彼女は笑っていた。ずっと笑っていた。終わってから思い出すのはいつだってこんな顔ばっかりなんだよなって、そんなこといくつのときに覚えたんだっけなんて考えてみたりもしたけど、どうでもいいじゃない今はそんなことって笑ってたように思えた。ばかみたいだ。気付いてみたら27回目の夏を迎えようとしている2月の10日にいた。

 

aikoと結婚したい」

今までそんなことを話すたび、かなりの人数に笑われたような気もするけれど、あんまり後悔はしていない。あの日の音楽の授業がなかったら、きっと13年経った今でも大して聴いてなかったかもしれないし、そばにいたのは別の人だったかもしれないけどそんなこと知りたいわけではない。永遠なんてないし、美しさは儚い。当たり前なんてないし、クラッカーも前田とは限らない。もしかしたらもう少し会いに行かなきゃいけない、大切にしなきゃいけない歳になってきているのかななんてことを思った。自分のことも、aikoのことも、もっと、もっと。aikoと同じようにやりたいことをしている今、そんな自分のことも少し好きになれた気がするから、やっぱりaikoのことが好きだ。また会いたい。ぜったい。